冒頭、子供が書いた作文の映像が流れる。
「大きくなったら漫画家になりたい」
と、夢を綴ったもの。
作者の名前は"川谷修士”。
数年後。
成長した修士は、あの頃の夢を持ちつづけ、雑誌への投稿を行っている。
しかし、中々うまいこと運ばない。
おまけに、最近はある問題に悩まされていた。
それは
“隣の家の小堀さん”がゴミを家の前に溜めること。
小堀さんの家の前に山ほど置かれたゴミからは悪臭が。
その臭いが部屋に漂って漫画が描けない、と大家の河本さんに訴えるが聞いてくれない。
逆に
「ゴミを溜めても家賃を払う小堀さんと、ゴミは溜めないが家賃を滞納してる川谷さん、どっちが大家にとっては迷惑やと思うの?」
と河本さんに言われ、反論できない。
そんなおり、70年代のフォーク歌手のような外見の樅野くんが修士の隣に引っ越してくることに。
仲間を得ようと頑張る修士だが、外見が一風変わってる樅野くんは、考え方も一風変わっているらしく、小堀サイド。
気づけば、樅野くんも大家もゴミをため始める始末。
修士は小堀家のゴミで漫画が描けないけど、樅野くんはそこそこ曲を作っている模様。
ある日、修士の彼女の聡子が家に来るというので、慌てて自分が出してる訳ではないゴミの数々を片づける修士。
しかし、間に合わず聡子到着。
一緒に来てたのが「らくだ書房(確か)」の編集者・山本さん。
樅野くんのインタビューに来た。
聡子によれば、樅野くんは実は
「インディーズ界のカリスマ・モミネム」。
自分と同じ位置だと思ってた樅野くんが実はある世界では名が通っていたことをしり、修士は複雑。
「曲を作る励みは?」
というインタビュアーの問いに、
「隣の家の修士さんが、漫画を一生懸命描いてる姿ですね。それに触発されてる部分が大きいです」
と答える樅野くん…もといモミネム。
モミネムがいうぐらいなら、きっと凄い漫画を描いてらっしゃるんでしょう、うちの出版社は漫画部門もありますから、紹介しますよ、と山本さんに言われた修士。
「原稿見せてくださいよ」と頼まれる。
けれど、原稿は手元にない。
中々芽が出ない状態に苛立ち、自分の才能に見切りをつけ、
「ゴミ」
として捨ててしまったから。
「…チャンスっていうのは確実にあるんです。
だけど、滅多に来ない。
自分の作品を“ゴミ”と思う人に用はありません」
といって山本さんが帰ろうとしたら…。
「原稿はあるわ!」
と叫んだのが小堀さん。
ゴミ袋を引っ張り出してぶちまける。
中から出て来たのは修士さんが捨ててた漫画の原稿の数々。
「わしゃ、この原稿がゴミとは思われへんかったから、持っておきたかったんや。
…オマエさんが思ってるほど、悪くは無いと思うで」。
モミネム&大家が溜めてたゴミも実は修士の原稿。
漫画のキャラクターはおちゃらけ系でしたが(^^;。
全然自分の迷惑なんて考えてくれてないと思ってた人達が、実は自分よりも、自分の力を信じてくれてた、と気づく修士。
あらためて、山本さんに頭を下げて、原稿を見てもらうお願いをする。
快く引き受ける山本さん。喜ぶ住人たち。
ここで暗転し、変わりに映ったスクリーンには、今回採用された漫画のキャラの数々。
そして明転。
相変わらずゴミ屋敷の右端と左端。
ところが、真ん中の修士邸にもゴミ袋の数々が… で、終わる。 |
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