ゴトウヒデキ・コホリヒロユキのコントライブ〜お手の物〜ゲストはヤナギブソン〜
05/9/23 atうめだ花月

[出演]
後藤秀樹/小堀裕之(2丁拳銃)/ヤナギブソン(ザ・プラン9)


<コント1:靴磨きと赤いハイヒール>
靴磨きの男(後藤)の前に現れた1人の女(小堀)。
 履いている真っ赤なハイヒールをあれこれ理屈を捏ね回してはなかなか磨かせないなど、どこか謎を秘めた女だが、男はあまり関心を示さない。
 そんな靴磨きの男を気に入ったのか、女は誇張や脚色を多々織り交ぜつつも自分の事情を少しずつ明らかにしていく。
 赤のハイヒールにはある秘密が隠されていることも。
 それでも“女の靴を磨く”以外のアクションを起こそうとしない男だったが…

 
 ++++
“(オチが)きれいなコント。ああ〜って感じ”とメモってました。
  ボケとツッコミが時々入れ変わるようなとこもあった。
  私はこのライブを見るのは初めてだったので、先輩を相手にビビったり殺されかけていない小堀さんが何だか新鮮だった。

 ちなみに私は小堀さんの女装コントが割と好きなので、1年ぶりぐらいに女装コントを見れてちょっと嬉しかった。



















<留守番電話 #1>
このイベントでは恒例のつなぎ音声なのかな?
 後藤→小堀、小堀→後藤の留守電のメッセージやり取りの再生。

■後藤→小堀
 ・「曲者」の感想。非常に楽しかったので、年1回といわず月1、いや週1でやろう!と提案。

◆小堀→後藤
 ・「2丁拳銃の小堀ですけど、この後藤さんで良かったですか?」。
 ・「曲者」に出てくれたことのお礼と感想。
  後藤さんにキャー!があったことは芸人一同びっくりだった、など。
  それを踏まえた上で
  「後藤さんの(ミスチル)桜井は年1回で良いです」

■後藤→小堀
 ・今日のコントライブ、よろしく。
 ・前2回のタイトル「108の煩悩と底知れぬ本能を…」は、ハードル高いと思わん?

◆小堀→後藤
 ・「小堀ですけど、この後藤さんで良かったですか?」
 ・ぶっちゃけ、「108の煩悩〜」というタイトルは自分も変えて欲しかった。
 ・今回の「お手の物」は良いんじゃないでしょうか?


<コント2:ミステリーツアー>
失恋の傷を癒そうとミステリーツアーに応募した青年(ヤナギブソン)。
 参加者が自分1人しかいない上に、ガテン系にしか見えないドライバー(後藤)と、なんともいえない風貌をしたガイド(小堀)に一抹の不安を感じるが、その予感は的中し、トラブル続き。
 失恋以上のトラウマを却って背負い込む羽目に。
 これでは失恋の傷を癒すどころではないとクレームをつける青年。
 そんな青年にドライバー&ガイドが提案した失恋を忘れる唯一かつ最高の方法とは…

 
  +++

最初はオチの前フリとオチへの繋がりがよく分からなかった。
 しばらく考えて、(あー、なるほど)と分かった途端、何かにやにや(^^;。
 噂に聞いたゲスゲスコントの一例。
 リピーターらしいお客さんは
 「小堀くんやなぁ…」と苦笑いしていたり。

運転が荒いという設定なので、カーブを曲がったり急発進をしたりすると3人一斉に同じ動きでのけぞったり傾いたり。
 普通に見てしまったが、小堀さんはここの動きが大好きだったので、全くウケていないことがちょっと恥ずかしかったとか。
 ギブソンくんに至っては、2〜3回動きを放棄していたらしい。

後藤さんの役名はそのまま“秀樹”だった。
 コント中、“ヒデキ”と呼ぶつもりが“ヒドキ”と噛んでしまった小堀さん。
 すっと言わなければならない場面だっただけに、悔しさと恥ずかしさ全開。
 へこんでしまい、すっと後ろを向いて壁を叩く一幕も。

退屈を紛らすために音楽を聴こう、という設定で「青色」が流れたので何となくにやり。
 「誰ですか?知らんわー」というギブソンくんに
 「自分、男の子やろ?知らんのか?」と返す後藤さんのセリフが好き。



































<留守番電話 #2>

 ■後藤→小堀
  ・「曲者」、ホンマに週1でやろうや。一生のお願い!
  ・よーく考えてから、返事の電話をするように!

 ◆小堀→後藤
  ・「無理で〜す」(即答)
  ・“よーく考えた”上での結論です、と付け加え。

 ■後藤→小堀
  ・東名阪ツアーをやる、と言っていたのに名古屋の劇場が閉鎖したことで予定は未定になっていたが、“東・静・阪ツアー”はどう?
  ・最近ギターの練習を始めたが、自分でいうのもなんだが尋常じゃないぐらいに上手いので、CDを出してみたい。
  なので、CDを手っ取り早く出せる方法を教えなさい。

 ◆小堀→後藤
  ・東静阪ツアーはOKです!
  ・後輩に静岡の風俗店を早速リサーチさせます。
  ・CDの件は、新田さん(元2丁目劇場支配人/現・吉本興業大阪制作部チーフプロデューサー)と仲良くすることが一番の近道です。

 ■後藤→小堀
  ・今日のライブチケット、何と前売り完売!
  ・集客効果を期待して今回はタイトルに“ヤナギブソン”を入れたことと、自分達の名前もあやかってカタカナ表記にしたことが一番の成功要因だろう。
  ・出待ちに囲まれることも夢ではないので、考えてくるように。

 ◆小堀→後藤
 ・チケットの売れ行きが良いのは僕も嬉しいです。
 ・ヤナギブソンについては、あいつの人気を無くすようなネタを(作ることを)考えていますので、その点も大丈夫です。
  ・出待ちについては、一番シュッとしている赤のズボンをはいて来ます。

 ■後藤→小堀
  ・今、ホンマにお笑いブームなん?
  ・後、小堀タバコ何で止めたん?

 ◆小堀→後藤
  ・お笑いブームらしいです。
  ・でも、僕らは劇場とかで自分らの面白いことをやり続けることが良いと思うんです。
  ・だから、後藤さんがブームとかを気にするのは嫌です。
  ・禁煙したのは、タバコ止めたらテレビいっぱい出れると占い師に言われたからです(きっぱり)。


<コント3:選手村>
柔道選手(後藤・日本人)、水泳選手(小堀・オーストラリア人?)、陸上選手(ヤナギブソン・アフリカ系?)が選手村で繰り広げる3人漫才。
 
+++
黒人メークと、普通ならボケがやるような格好のギブソンくんがツッコミ担当。
 先輩2人は集客力もある頼もしい後輩に任せて気ままにボケ倒してました。
 水泳選手役の小堀さんは当然海パン一丁。
 素に戻って恥ずかしくなることが何度もあったとか。


















<留守番電話 #3>

■後藤→小堀
 ・来週トークライブをするので、“修士様”にゲストで出てもらえないかを相方からお願いして欲しい。

◆小堀→後藤
 ・修士はOKとのことです。
 ・僕もスケジュール空いてますが…。

■後藤→小堀
 ・“修士様”だけで良いです(きっぱり)。
 ・別に「曲者」に出るのは年1回で良いと言われたことを根に持った発言じゃないので、その辺は誤解しないで欲しい。
 ・くれぐれも「l曲者」の件が尾を引いているわけではないので。
 ・「曲者」のことは全然…(続く)
 ・後、笑わしたいのか泣かしたいのか分からん最後にいつもやるコント、あれやらん訳にはいかんか?

◆小堀→後藤
 ・コントはこれありきでこのイベントだと自分では思っているので…、あれをやらないならイベントをやる訳にはいかないです。
 ・あと、それ(笑い泣き系コントをやらない)なら修士のゲスト出演も無かったことにして貰わないと…

<コント4:あの日のお兄さん>
平凡な主婦・母親であるヒデカ(←※メモの字から判読。もしかしたら違うかも/後藤)の回想。
 高校生の頃、偶然会ったオオホリ(小堀)に彼女は恋をした。
 色々な障壁が彼女の恋を邪魔するが、そんなことに構う暇は無かった。
 オオホリが喜ぶことは何でもしたし、オオホリが好きなものは自分も好きになった。
 一方、自分に好意を抱いていることを素直にぶつけてくるヒデカに戸惑うオオホリ。
 何故なら彼は→
女性の下着を見ると盗みたくなる衝動を抑えきれない“ド変態”だったから。そして尋常じゃないレベルの収集癖。“下着ドロ”と可愛い言葉でごまかせるものではなく、過去に発覚した盗んだ下着の枚数は1件で1000枚を超える。。(←ドラッグしてお読み下さい)
 ヒデカの好意を受け入れることは、ヒデカに過酷な人生を歩ませることを意味していた。

そして運命の日。
 悲しい決断を選んだオオホリは、ヒデカが一番聞きたくないであろう言葉を彼女に告げる。
 半狂乱になり泣きながら去るヒデカ。
 しかしそれはオオホリがヒデカを大切に思っていることの証であり、最初で最後の愛情表現だった。
 「…仕方無いねん!自分の好きな部分はどうしても変えられへんねん…」
 と、どうすることも出来ない現状を呪うオオホリ。

月日は流れ、ヒデカは結婚し子供にも恵まれた。
 オオホリのことは思い出の一部となった。
 そんな彼女の前に偶然姿を現したオオホリは…


+++
小堀さんが作る典型的なコントだなぁ、と思った。

 一般社会では決して褒められないようなことをする人がいる。
 大勢の人達がその人をけなしたり非難したりする中、そっと1人だけその場を離れちょっと違う位置から見つめてみる。
 世間的にはその目線は“ひねくれた視点”に捉えられがちだ。
 だけど、大勢とは違う場所から“褒められない人”を見つめる視線は真っ直ぐだ。
 そして、“褒められない人”が大勢の人がいるところからは見えない様々な一面を持っていることを知る。
 その人の一部分に過ぎないある一面だけを見てそれがその人の全部だと決めつけるような乱暴な判断について、微かな怒りを覚えるのかもしれない。
 
 小堀さんがコントで書く“困った人”、“褒められない人”は、いつもどこか途方に暮れている感じがする。
 大切に思う人や物があり、その気持ちを自分は行動で表わしているだけなのに、それはことごとく裏目に出てしまい、ますますその対象は自分から遠ざかってしまう。
 確かに他の人がやってることと自分がやってることは“ちょっと違う”とは思うが、その違いはほんの少しの程度の差としか思えないので、どうして自分の行動や存在がここまで受け入れてもらえないのかが分からない。
 <常識>と<自分の世界>の間にあるズレに引っ掛かってしまって抜け出せずにいる人達をコントの主役にあてることが多い。
 そういうコントの時、不器用にしか生きれない人達をことさら賞賛はしていないけれど、(何故そこまで?)とともすれば戸惑うぐらいに、上手く生きれない人達を愛しく思う視線が溢れているように思う。
 
いわゆる<お笑いらしくない>コントだけど、小堀さんはこういう感じのコントをやることだけはどうしても譲れないらしい。
 そういう小堀さんの頑固なこだわりを受け入れてくれる人が相方以外に、しかも先輩芸人でいることがとても嬉しくて、ありがたかった。


○○





















<エンディング>

2人ともちゃっちゃっと着替えて登場。
 小堀さんが<出待ち用>の赤ズボンを穿いているのを目ざとく見つけた後藤さん。
 「あ〜っ!(笑)」と反応。
 「僕、絶対着ますよ」みたいなことを言っていた小堀さん。

舞台のふり返り。
 小堀さんの「ヒドキ」は無いわ〜と後藤さん。
 小堀さん、頭では「ヒデキ」と言わなと思っていたのに、何故か自分の名前の「ヒロユキ」とごっちゃになってしまい、焦った挙句に出てきた言葉が「ヒドキ」だったらしい。
 後藤さんは後藤さんで「ミーハー」を「ミーファー」と噛んだので人のことはいえない、と。
 (音違うわ!下がってるやん!)と小堀さんはツッコミたかったらしい。

ギブソンくんを呼び込む。
 「選手村」のコントが終わって大分時間あったのにまだ黒人メークの彼(笑)。
 めったにこういう格好はやらないので、出番が終わったからといってすぐ落としてしまうのは勿体無いから、という理由。

東静阪ツアーは冗談だが、来年の東名阪ツアーは本当。
 やる方向でほぼ確定らしい。
 名古屋の劇場を見せてもらった後藤さんだが、キャパが旧栄3丁目劇場に比べると大きいので集客力が懸念材料らしい。
 「僕、名古屋でめっちゃ人気ありますよ」と、名古屋での人気者ぶりをアピールする小堀さん。
 集客数増加の期待の星・ギブソンくんは当然ながらツアー参加。

来週の後藤さんのトークライブ告知。
 留守電どおり、修士さんがゲスト。
 小堀さんは東京でお芝居に参加するため、今回は欠席。

 大阪は11月にうたツアーで来ます、と小堀さんも告知。

当初の予定時間を大幅に過ぎて「お手の物」終了。
 自分が気持ち悪いキャラで出て来た瞬間、偶然とは思うが1人お客さんが出て行くところが目に入ってしまい、ちょっとへこんだらしい。
 

(05/9/28 記)


(感想)
ちゃんとしたネタライブに行ったのは3ヶ月ぶりでした。
 ここ最近は、お笑い全般に対する興味や注ぐエネルギーが停滞期に入ってしまい、2丁拳銃がちょこちょこ色んな活動をしていることは耳にしたり目にしたりはしても、深くそれについて考えることはあまり無く。
 (何か最近はどんどん気持ちが遠ざかってるなぁ)と思いながら大阪に行きました。
 でも、舞台を見ていたら
 (あぁ、私は2丁拳銃が舞台でネタをすることがどうしてもたまらなく好きなんだなぁ)
 なんていうことを久しぶりに思い出しました。

先輩方と共演する舞台では、萎縮していたり怒られていたりする印象が強い小堀さんなので、ことさら厳しくしたりベタベタに甘やかしたりすることもなく、のびのびやらせてくれる後藤さんで良かった、と思いました。

このライブを東京で定期的にやっていたら、恐らくリピーターになってるだろうと思います。

(05/9/28 記)

ライブレポート
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