ますだおかだ寄席〜15周年記念ライブ(08/4/26 at草月ホール)

<開演>

“寄席”と銘打ってるだけあり、お囃子や一番太鼓が鳴る。
 よもやますだおかだのライブに行ってこれが聞けるとは思わなかったので驚く。
 (今年の私には寄席の神様がついてるのかもなぁ)なんて思う。

幕が開くと、座布団が。
 (そうか、そういえば増田さんって落語やってるんだよなあ)
 と思ったら岡田さんが登場。
 (え?)と思ったら、ただの前座扱いだったようで、座布団を返し、めくりをめくってハケていった。


<落語・増岡亭増田「親の顔(作:立川志の輔」)>

算数のテストで5点を取ってきた息子。
 父親が答案を見ると、あまりに個性的な発想に基づいた回答が記されていた。
 父子ともども学校に呼び出されたので、渋々出向き…

 (エンディングでこの落語が志の輔師が作った落語であることをご披露。
 上方落語をやると思っていたので、増田さんの前に見台が無かったことが少し寂しく思っていた。
 次は是非ともハメもの&見台つきの上方落語を)

<漫談・綾小路おかまろ>

きみまろばりの格好で登場の岡田さん、もといおかまろ。
 基本“うろうろ漫談。ウケなくなったらうろうろの間隔が短くなり、笑ってくれる人の前でしか喋らなくなる”らしい。
 「いつから自分はこんな空回りキャラになったのか」という疑問から、半生を振り返ってみたが、ま〜、凄い凄い(笑)。
 ざっと列挙するだけでも…

 ・小学生時代はリトルリーグのエース。あの清原和博とも対戦したことがある!
 →あちらはピッチャーで四番。しかしオレはサードで八番だった。
 →しかも対決はスリーバント失敗で敗北。それもセーフバント失敗。

 ・小学校の卒業文集の一人一言。当時は漢字(「根性」「友情」「夢」など)を使うことが流行っていた。
 →岡田少年の選んだ言葉は「無欲」(何でそれを書いたのか本人は心当たり全くなし)。

 ・“セーフバント失敗”からも分かるように、“ここ一番”に弱い。高校入試では、合格点に多少下駄を履かせてもらえるはずの「私立高校専願入試」に出願。受験スケジュールはクラスで一番最初。
 →下駄を履かせてもらうどころかクラスで最初に不合格…。さすがに落ち込んだので、学校に戻る前に家にちょっと寄った。しかし、岡田さんだけ戻ってこないのでその頃学校では「岡田が受験失敗して失踪した」と大騒ぎに。

 ・“試験”と名のつくものには本当に当たりが悪い。高校入試の失敗だけで終わらず、大学受験に至っては、現役・浪人通じて13校落ちた。
 →ベビーブームの煽りで受験生が多かったので、予備校にも入試があった。大方の予想通り、予備校の入試にも落ちた。
 →短大から大学への編入試験ではカンニングがばれて落ちた。
 →人生で唯一まともに受かったのは原付だけ…!
 
 ・ますだおかだの初漫才では、“増田さんがボケる前につっこむ”という空回りの王道ともいうべき失敗をやらかしてぐだぐだになる。

 …など。
 岡田さんの喋りの内容は基本自虐的だが、本人が突き抜けるほどポジティブ思考なので、嫌な気にならないのが良いと思う。
 


<漫才・ますだおかだ>

 ・「『松竹LIVE STAND』へようこそ」(by増田)
 ・徳永英明がお笑い芸人をカバーしたら
 ・学校教育にお笑いを取り入れたら
 ・お葬式にお笑いを取り入れたら
 ・ディズニーランドにお笑いを取り入れたら



<エンタ芸・増岡マーケット>

 藤崎マーケットぽく、テンポ良くリズムに乗りながらダンスを披露。
 この振り付けは2人にとってしんどくて、一つ終わるごとに息が上がり、松竹の稽古場の冷房の温度が18度を下がることは無かったとか。


<ジャグリング・イッセー岡田>

“That'sグダグダ!”というしかないもの(^^;。
 手伝いに来たので袖で見ていた後輩達は、ふわーっとながらも笑いが起きているので「今日のお客さん、めっちゃいい人ばかりやな」「これはないわー」などと言い合っていたとか。


<ものまね・まねだ英彦>

「Love is…(河村隆一)」、「もう一つの土曜日(浜田省吾)」など、増田さん十八番のものまねをめっちゃ本意気で披露。
 うまいし似てるなー、とは思ったけど、何か私は苦手な時間でした(^^;。


<アテレコ漫才・もーれつア太郎>

モノクロアニメの「もーれつア太郎」に2人がいかにもそれっぽい調子でセリフを当てていくのだけれど、これがかなり私はツボでした。
 DVDになる時にはあまり編集が加えられないことを願うのみ。
 まさか赤塚漫画がセリフを変えれば、お笑い界の仁義無き戦いの縮図となるなんて。



<漫才・ますだおかだ>

 ・岡田娘の作文
 ・増田娘の作文



<口上〜終演>

一旦、幕が閉まり、再び幕が開くと、床につくまで頭を下げて正座をしている二人がそこに。
 ますだおかだが15年やって来れたのは、増田さん曰く、今日会場に足を運んでくれたお客さんとネタを書いている自分のおかげだそう(笑)。

その後、今日のネタの振り返り。
 増田さんは昨年、番組の企画で落語をやったがそんなにハマっていた訳では無いらしい。
 しかし、偶々ANAに乗った時の機内放送で聞いた志の輔師の「親の顔」が非常にハマったので、志の輔師に単独ライブでやりたいんですが…と許可を貰いに行ったそう。
 他の人がネタをやるのを志の輔師は好まないと聞いていたが、増田さんがお願いをするととても喜んでくれて、肝心の「親の顔」が入っていないCDやDVDを大量に送ってくれたらしい。


お笑い番組は増えたけど、“出たい”と思う番組は無いとか。
 それよりも、こうやってライブをやって、お金を払って見に来てくれるお客さんに楽しんで帰ってもらいたい、と思うようになった、と。
 昔はライブはプロモーションの場と思っていたとか。

 “好きなことを好きなようにやる”ことは難しいと思うが、ますだおかだにそれが出来る日が1日でも早く訪れますように。


(08/4/27 記)

→ライブレポート
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