ルミネバラエティ(04/12/27)

【ネタ組】
ラフ・コントロール/佐久間一行/ルート33/ライセンス/ニブンノゴ!/ハリガネロック/ガレッジセール/2丁拳銃/チャイルドマシーン

【SPコント】
[ロンドンブーツ1号2号ユニット]
ロンドンブーツ1号2号/ペナルティ/じゃぴょん
(見ておらず…)

<はじめに>

「チャイルドマシーンが解散するという噂がある」ということを私が知ったのは11月末頃だった。
 秋口ぐらいからこの噂はちらほらと出ていたらしい。

<コンビ仲が悪い>とか、<最近ピンの仕事が多い>とか、解散するコンビにはつきものの事情が全く思い当たらなかったので、何でそういう噂が出ているのか分からなかった。

 だが、

 「ルミネ1月分のスケジュールに”チャイルドマシーン”の文字が無い」
 「山本さんの名前はあるが、“山本吉貴”のみとなっていて、(チャイルドマシーン)の表記が無い」
 「山本さんはあるけど、樅野さんの名前がどこにも無い」
 「M-1にエントリーしていない」…

 などと聞かされると、確かにそう思わざるを得なかった。
 
 でも、解散なんてしないと思っていた。
 組んでから2〜3年の若手ならまだしも、チャイマほどのキャリアがあるコンビが今更“解散”なんてしないだろう、と思い込んでいた。
 12月の「拳(GU)」は山本さんだけの出演だったが、それも樅野さんにSBPFの仕事が入ったからしょうがないことだし、2月の「拳(GU)」にはまたチャイマは出ると思っていた。

 しかし、12月の「拳(GU)」のエンディングの際、2丁拳銃がシメの挨拶で
 「新しいメンバーが入るかもしれない」
 ということをちらっと言った時、ちょっとだけ嫌な予感がした。
 それでも、(これは下衆の勘繰り)だと自分に言い聞かせた。


数日後。
 
 「チャイマがトークライブで解散を発表しました」

 このメールが携帯に入った時、思わず「え〜っ!何で!?」と携帯に問いかけてしまった。
 メールなのに。

 事実としては分かったけど、感情では全く理解できなかった。
 意味が分からなかった。
 (何でチャイマが解散しなきゃいけないの?)としばらくポカーンとしていた。
 
 そして、単独ライブやトークライブに足を運ぶことも無かったし、チャイマ目当てで7じ9じを見に行くことも殆ど無かったのに、「チャイマの解散」をこんなに寂しく思って、ただひたすら「残念」と思っている自分自身がとても不思議だった。

2004年12月27日。
 この日は、大阪の素敵演劇コント師集団の「ザ・プラン9」の東京単独ライブ初日。
 プラン好きなのでもちろんチケ取りに臨んだ。
 今まで、行きたいライブのチケットが取れなかったことがお笑いに関しては無かったので、大丈夫と思っていた。
 しかし、ぴあのプレリザーブでも一般発売でもチケットが取れなかった。
 初めて、行きたいライブのチケットが取れなった。
 とかく忙しい時期だったが、残業にならなければ、当日券を求めに下北沢まで行くつもりだった。
 ほんの5分前まではそのつもりだった。

 前日まで、2004年12月27日のルミネは、普通の7じ9じだった。
 だけど、この日が「チャイルドマシーン活動最終日」となることが決まった時、私の気持ちは下北沢に無かった。
 月曜日に舞い込むことが予想される仕事は、土日で8割片付けた。
 そして、定時になると速攻で会社を出た。

<他の誰でもなくて、“チャイルドマシーン”を見に行く>。
 最初で最後の経験になってしまった。


<7じ9じ>

前売り券を持っていなかったので、当日立見を購入。
 「170番ですがよろしいですか?」という店員さんの「170.…」の時点で「それで良いです」と言ってるのに、顔は見えないで声しか聞けないことが予想されるとか、たとえ見えなくても払い戻しは出来ないとか説明が続けられ、悪いけどちょっといらいらした(苦笑)。
 中に入ることが出来ればそれだけで良いんです。

 中に入ったら見事に何も見えず。
 必死に背伸びしてきょろきょろする力は、チャイマ登場まで取っておこうと思い、メモも取らずひたすらその時を待った。

++++

☆ラフ・コントロール(漫才)
 →・10回クイズ
  ・お笑いという名を借りた暴力

☆佐久間一行(コント)
 →・不動産

☆ルート33(漫才)
 →(覚えておらず…)

☆ニブンノゴ!
 →コントだったのかショートコントだったのかも覚えておらず.…

☆ライセンス(漫才)
 ・スノボ

*****
後半が近づくにつれ、どきどきしてきた。
 前日、
 「もし明日がそれだったら、ルミネの粋な計らいに泣くかもしれません」
 と、冗談交じりに知人に言っていたことが、もしかしたら現実になるかもしれない確率が高まってきたから。
*****

☆ハリガネロック(コント)
 →アイガさん
 (今まで全然見えなかった舞台が、この時は少しだけ見えた。
 ロングヘアーで白塗りメークの謎の女・“アイガさん”役のユウキロックが奇声を上げながら舞台を所狭しと駆けずり回っており、客と大上さんをかなり気持ち悪がせ&怖がらせていた(笑)。
 地上波でもやったらしいですね。
 ハリガネロックがコントをしているだけでも結構な驚きなのに、漫才をやってる姿からは想像つかないキ○ガイぶりを全面に発揮しているから、久しぶりにハリガネロックを見た人は複雑な思いをしているかも。
 私も「white」に行ってなかったら、唖然としてただろうし。)

☆ガレッジセール
 →エンジョイプレイ

*****
ガレッジが出て来た時点で、(見てみたいけど無理だろうなぁ)と思っていたことがかなり現実味を帯びてきたので、次のコンビのアニメーションが何なのか、ということに関心が行ってしまい、100%上の空。
 ごめんなさい、ガレッジセール。


ガレッジの出番後、暗転したルミネのスクリーンに映し出されたのは、

見慣れに見慣れた、ハグキちゃんとぶつぶつちゃん。


見た瞬間

 「チャイマがトリだ〜!」

 と、思わず小声で呟いた。
 私の周りも

 「チャイマ、トリだよ〜」「ニチョケンからチャイマかぁ…。涙がでてきた〜」と、小声とはいえ静かに盛り上がりを見せていた。

キャリアの点でいえば、普段だとハリガネ、ガレッジ、ニチョの何れかがトリ。
 それが今日はチャイマがトリ。
 おまけに、トリから2番目は、私がチャイマを見るのはこの人達絡みのことが多かった2丁拳銃。
 スペコン然り、「箱入娘」然り、「拳(GU)」然り、「曲者」然り。
 2丁拳銃を見に行ってなかったら、そんなにチャイマの解散に衝撃を覚えることもなかったかもしれない。
 (ニチョケン、今日はトリじゃなくてありがとう!あんたたち、良い兄さんだよ!あぁ〜、ニチョケンのファンで良かった〜!)
 と、自分でも訳のわからんほどに、にわかにテンションが上がってしまった。

明転して2丁拳銃が出てきた時、プチ奇跡が起きた。
 お客さんの頭や肩の隙間から舞台が7割ほど見えるように。

*****
☆2丁拳銃(漫才)
 →・曽我さんツカミ
   ・アテレコ漫才
   ・ホスピタル漫才
*****

2丁拳銃がハケた時
 (あぁ、いよいよだなぁ…)
 と思った。


スクリーンにアニメーションが流れた。
 山本さんも樅野さんも全然似てなくて、見る度に
 (あ、次はペナか)
 と間違えていたアニメ。
 これも今日で最後。


「チャイルドマシーン」の文字が映った時、自然と拍手が起きた。
 私もした。
 <お疲れ様でした>とか<早く出てきて下さい>とかいうことをぼんやり思いながら。

 出囃子がいつもより長めに流れた後、スーツ姿のチャイルドマシーンがやっと出て来た。
 拍手が一段と大きくなった。
 そんな客席の様子に、2人ともどこか照れくさそうだった。

☆チャイルドマシーン(漫才)
 →・珍しい苗字
   ・おゆうぎ
  ・「ちょっとだけイングリッシュ」


 「珍しい苗字」の時、ふと横を見ると、明らかに何も見えない位置から必死に背伸びしている女の子が目に入った。
 その子の肩を叩き、(ここどうぞ)とジェスチャーをした。
 最初はその子も断ったが、すぐ「やっぱり入れてください」と言ってきたので場所を譲り、私は一番後ろに行った。

 椅子・立見含めて670人も入れた今日のルミネ。
 当然ながら後ろは何も見えない。
 でも、声は聞こえる。
 声だけの漫才でも充分に面白さが伝わった。
 笑えた。

 「漫才はしゃべくりやねんから、目をつぶってもおもろいもんや。
 目をつぶってても笑える。それが本物の漫才や」
 という修士さんの言葉を思い出した。
 今のチャイマの漫才は、その典型だ。

 
「ちょっとだけイングリッシュ」のシメが近づいた。
 何ともいえない思いでいっぱいになる。
 

 とうとう、シメの言葉が聞こえた。
 出てきた時以上の拍手が起こる。
 なかなか消えない。
 客席の拍手も舞台の照明も。
 そのうち「おぉ〜」「あぁ〜!」というどよめきが聞こえた。
 全く舞台が見えないので、何があったのかはその時は分からなかった。
 拍手が一段と大きくなる。
 客席だけじゃなく、舞台袖からも拍手が起きていたそう。
 
 家に帰って、ネットに繋いで見て、その時に何が起きていたのかを知った。

 2人が客に挨拶をしていた。

 1人は深々とお辞儀。
 1人は手を大きく振って「バイバイ」。


いつもより長めにつけてくれいていた舞台の照明が消え、幕も閉じられた。
チャイルドマシーンの活動が終わった。


*****

「解散」はどのコンビにもありえる。
 しばらく忘れていたこのことを久しぶりに思い出した。

 
チャイルドマシーンは、「好き“だった”コンビ」でもあるが、今でも現在進行形で好きです。

(05/1/9 記)

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