百式
<オープニング> 2丁拳銃の単独の楽しみの一つが「ブリッジ」。 毎回凝った映像を見せてくれる。 今回は、黒スーツの2人と白のツナギ姿の2人が交互に現れる。 黒スーツと白ツナギを見たとき、私の隣の人が 「今までの単独衣装見せてくれるんかなぁ」 と呟いていた。 “黒スーツ”は、2000年の「ピストルモンキーカンフーマン」の漫才の時に着ていた。 “白ツナギ”は、2001年の「ピストルモンキーフィーバーマン」の漫才の時に着ていた。 白ツナギ姿の2人は、大きな筆で何かを書いている。 出来たものは、「百」「式」。 舞台の端に立て掛けられてた書は、2人がこの時に書いたものなのかな? 27日のルミネまで、破れたり汚れたりせず、無事に全国を渡りますように。 福岡のお客さんは、修士さんに過度にきゃぁーきゃぁー騒ぐこともなく。 イキってる小堀さんに大爆笑することもなく(笑)。 平等に拍手と歓声を送っておりました。 ブリッジ終了後、毎度おなじみ伊部さん登場。 淡々と演目札をめくり、淡々とハケていく。 そして、「44口径」が高らかに響き… |
<開演> 小堀さんはワインレッド系のスーツ。修士さんはボタンに特徴があるスーツ。 天気悪いなぁ〜、雪降るって言ってたなぁ、なんて小堀さんが言ってるけどお客さんの反応は薄い。 そこに修士さんが 「何でオレの足踏むん?」 と抗議。 お客さんの反応が薄いのを修士さんにも確認してもらう意味で踏んだとか(^^;。 福岡は一昨年が最終日、去年が4日目、と後半に日程が組まれていたが、今年は初日。 小堀さんは公式BBSを見たらしく、「お客さんの方が緊張してる、いうかきこみが多かった」と言っていた。 ミスを楽しみにして下さい、なんて言っていた。 <ネタ> ☆滑舌の練習 (小堀さんが振った時に修士さんが、「今やるの?」みたいなことを言っていた。 もしかして…と思ったら、案の定小堀さんのアドリブだったよう。 自分で振っておきながら笑えて来た小堀さん。 セリフを間違い、早速ミス1回) ☆学校 ・学生時代のずるいこと〜遅刻、代返、 ・学生時代のいやなこと〜教科書の音読、ホームルーム ・「あんまり無いけどみんなが分かること限定」学校あるある ・学校あるある〜定時制編、美容師専門学校編 ・散髪屋あるある ・不良〜料理学校編、マジシャン編 (音読はちょっと下ネタフレーズあり。途端に引く福岡の客席(^^;。 「あんまり〜」は、修士さんもボケに入る。 “〜あるある”って「拳(GU)」でもそうだったけど、言ってるうちに「鉄拳」口調になってくるよう) ☆厳しい規則〜老人ホーム編 ☆ひったくり (小堀さんのおばはんキャラ全開。メークとか女装とかしてないのに、おばはんに見えるところが素敵) ☆小堀がやりたい職業 ・天気予報士 ・ヤクザ映画映画の主役 (ヤクザ映画は役割逆転。 初年度の百式にも似たような設定ありましたね) ☆2丁拳銃企画の映画 ・「青春食い逃げ」 ・「青春誘拐」 ☆恐い話 ☆変質者 (「食い逃げ」は、NUTSでやったことあるんじゃないかなぁ、と思う。 恐い話、変質者はここ最近の新ネタ。 「恐い話」が出来たばかりの頃を見たことあるけど、その時は笑うよりも(ん?)と首を傾げることが正直多かった(苦笑)。 斬新なネタ運びだなぁ〜と。 それが今は“2丁拳銃のネタの1つ”として全然違和感ない。 こうして“形”が出来ていくんだなぁ、とちょっとしみじみ。 「変質者」は、修士さんの「変質者」姿に素で笑いがこみあげてきた小堀さん。 「スーツを下の方で履くのはやめなさい!」とちょっと説教キャラ入る。 「ズボンが小さいんやからしゃあないねん!」と修士さん) ☆迷子センター (小堀さんの大人をコバカにしたキャラが秀逸) ☆芸人としての理想の自分 (2丁拳銃お馴染みの“ライム漫才”。 修士さんの言葉の一部を変えて小堀さんがボケ返す、というこの王道パターン好きです。 ただ、最後に修士さんが言った“むかつく芸人”は、思い当たるようなエピソードが無いのと、言ってるのが修士さんだけに妙にリアルだった) ☆ツアーコンダクター (役割逆転系。 修士さんがツアコン。 修士さんの口調を聞いた途端 (アイツだ〜!アイツがまた出て来たよ〜) と、結構客席が盛り上がったんだけど、何か違ってた。 修士さんの名物キャラから、若さと狂気が減り、ボケっぷりに磨きが入っていた。 好き勝手にボケては小堀さんを翻弄。 最後あたりはあまりに自由奔放なので小堀さんから怒られる一幕も) ☆トレジャーハンター (「フィーバーマン」でやっていた「レスキュー隊ネタ」に似ていた。 途中から凄く小堀さんが楽しんでるのが分かった。 そして、昨年の「百式」では大劇場限定だった、伝説の「ローリング漫才」がG劇場でも披露! 客席が盛り上がる。 盛り上がりに応え、5〜6回ぐらいぐるんぐるん回る小堀さん。 疲れてしまい、漫才中に休憩する(^^;) ☆病院混雑解消法 |
<エンディング〜感想> ツアーグッズの「百式」Tシャツを着て登場の二人。 福岡は「105分」でした。 修士さんによれば、小堀さんが回ってる時点で、100分だったそう。 ぐるぐる回っただけで「もうエエわ」とやる訳にもいかないので、100分オーバーを知りつつネタをカットせずにやったそう。 ツアーグッズの話。 グッズは急遽作ることが決まり、急いで発注したそう。 福岡だけ間に合わないなんてことになったら困るので。 しかし、グッズに対する反応が薄いので、売ってるのかどうか不安になった小堀さん。 小堀さんのお気に入りは南京錠のようで、ストラップにも何にでも使える、と力説していた。 ツアーの話。 ゴールデン劇場は今月下旬に閉館が決定。 だけど、他のイベントホールでやるらしいので、また呼んでください、と。 呼ばれたらいつでも来ますから、と。 しかし、それに対する反応が薄い…(^^;。 嬉しいんだけど、どうすれば良いのか分からない、みたいな。 「拍手とか無いの〜(笑)?」と小堀さんに促され、やっと拍手が起きる。 慣れてないんですよね、福岡は。 アンケート記入とグッズ購入をお願いして、「百式」福岡公演終了。 <感想> 偶然にも、ある新聞で喜味こいし師匠が 「最近の若い子は、テレビの出番が10分だからということで、10分のネタしか作れない子が多い」 と嘆いていたのを目にしただけに、「100分のネタを作る」ことと「100分のネタをやる」ことは誰も彼も出来ることではないんだなぁ、ということを「百式」参加3回目にして、やっと思う。 私は、今年の「百式」の感想を「音楽ライブみたいだった」とアンケートに書いた。 新作中心のセットリストを組み、昔の作品のリメイクやオリジナル曲のライブバージョンも取り入れる音楽ライブを何故か想像した。 テンポが良かったことがそう思った理由かもしれない。 ポンポンと進むネタ運びで、リズムが良かった。 105分全部が面白かったわけじゃ無いけど、今年も (そろそろ100分かなぁ) と思うことは無かった。 修士さんの 「もうエエわ」 を聞いた時は (あぁ、100分経ったんだ) と今年も思った。 私の近くにいた人は 「もっと見たかった…。凄くない!?全然長いって思わんかった!」 と、暗転の時に友達と喋っていた。 「100分ば短いって思うとは思わんかったね」「3分でも見とってしんどい芸人もおるとにね〜」という会話も聞こえた。 今まで見た百式の中で、一番好きな百式だった。 ただ、心狭いケチをつけるなら、「ルミネ」「関東地方」というセリフは土地土地で変えた方が良いなあ〜、と思う。 地方の人間はそういう些細なところをとっても喜ぶんで。 |
<開場前〜前説> TBSラジオ、「BREaTH」、後1社から花が届いていた。 「2丁拳銃」と1個も間違われていない花を見るのははじめてかも(^^;。 思わずまじまじと見てしまった。 ロビーでは、グッズの販売が始まっていた。 (あの人達が色々言われてるFCスタッフかなぁ。 一生懸命やってんのにねぇ) なんて思いながら見ていた。 ハイ、3年目にしてやっと <やみくもににグッズに手を出さない人間> になりました。 南京錠は福岡で買ったけども。 10分ほど遅れて開場。 いざ行くと、思ってた以上に舞台が近かった。 アンケートを埋めるだけ埋める。 なんだかんだ言ってこれは好きな作業です。 ルミネの前説担当は「拳(GU)」でもお馴染み、ミルククラウン。 後ろの扉から登場。 マイクを持たずに声を張り上げていた。 DVDになるので、いつも以上に携帯・PHSのマナー、写真撮影禁止について注意していた。 私は電源を切る前にメールチェックしたら公録外れのお知らせメールが届いており、テンションがやや下がる(^^;。 ミルククラウンがハケてから、結構間なしに暗転した。 例のブリッジが左右のスクリーンにかかる。 ブリッジの修士さんに「キャァ〜!」と言い続けるとか、小堀さんが出てきただけで爆笑するとか、なんていうことはルミネでも行われなかった。 去年までは、場所と年齢層によっては起こってたことなんだけど。 比較的皆様落ち着いた感じでブリッジを見ている。 ブリッジの中の2人は黙々と「百」「式」と大きな筆を走らせている。 ブリッジが終わり、幕が開く。 客席は暗転したまま。 ピンスポットが、舞台中央の壁に掛かっている 「百」「式」 という書を照らした。 続いて舞台左側に置かれた「百」、右側に置かれた「式」を照らし、最後に、これからの100分間、2人の漫才師の大きな武器であり味方となる筈の「センターマイク」を照らす。 この時の客席から聞こえて来たのは 「わぁ…」「おぉ〜…」「あぁ…」というため息ばかりだった。 そして、 「ちゅっるるる〜る、ちゅるるる〜る、夜が今口を開けて…」 と「44口径」が高らかに鳴り響く。 聴こえた瞬間、思わず「えっ!」と小声で呟いてしまった。 百式がソフト化されるなら、予算の都合上、聴けるわけが無いと思っていたから。 「44口径」をVTR内で流すなら、莫大な著作権料やら使用料やらを払わないといけない。 だから、去年出たDVDでは二人の出囃子はいつもと違っていた。 もしかしたら、ソフト化された時、この部分は違う曲にすり替わってるかも知れない。 それでも、聞きたいけど聞けないだろうと諦めていた「44口径」が聴けただけでもすごく嬉しかった。 あんなに「44口径」がこころに響いたのは初めてだった。 <開演> 小堀さんは、お客さんの「わぁ〜…」「おぉ〜…」という反応がちょっと恥ずかしかったらしい(笑)。 「百」は小堀さん、「式」は修士さんが担当。 「オマエの(書)は丸っこいなぁ」と、修士さんが「百」を見て言うと 「オマエは雑や。紙に(墨)がハネて」と、小堀さんが「式」を見て言う。 2丁拳銃の個性がよく出ている書です。 <ネタ> 福岡公演に比べると構成に大幅な変化は無し。 ・「滑舌の練習を」やろうと提案する小堀さん。 修士さんの「(内容は)知ってるけどな」というのがちょっとツボだった。 ・つかみのセリフで「もう30歳なんですが…」と言った時に何の反応も起きず、2人ともびっくり。 特に小堀さんは「何で!?」と最後までかなり引きずっていた(^^;。 ・「学校あるある」の時、「小堀くんから」「次は修ちゃん」と言ってたのがなんとなく可愛らしかったなぁ…と思ったり思わなかったり(苦笑)。 ・音読ネタがカット。官能小説の音読はルミネではお預け(笑)。 ・引ったくりネタがカット。小堀さんのおばちゃんキャラ全開で好きだっただけに残念。 ・「理想の自分」での「修士さんがどつきたい芸人告白」はうやむやになっていた。そりゃそうか。 ・「トレジャーハンター」ネタは鬼門。修士さんはネタ振りを間違え、オチを先に言う。小堀さんはセリフを忘れる(^^;。 ・修士さんがボケる時、何か照れたような笑いをよく浮かべていた小堀さん。 <エンディング> 百式Tシャツ着て登場の2人。 小堀さんが飛び出すように、修士さんより先に出てきたのが、珍しいなぁと思った。 小堀さんはTシャツを下に着たまま百式をしていて、汗びっしょり。 ライトが当たるから余計に汗をかきやすいのかも、と修士さんが言っていた。 小堀さんは「もう30歳」というセリフに何の反応もなかったことがひどくご不満(笑)。 だって知ってるし(^^ゞ。 2丁拳銃を見てきた分だけこちらも年取りましたし。 今回の百式もDVD化が決定。 「表百式」と、DVDに載せられない「裏百式」をやろうか、なんて自分達の首を絞めるようなことを提案していた2人。 どつきたい芸人も実名で言う、とか。 この時言っていた芸人さんは単に名前を出しても笑って許してもらえそうだから、ということだけど、福岡で聞いたあの人達についてはネタなのか本気なのかいまだに判断つかず。 お客さんは、後姿の自分を探してくださいね、と小堀さん。 一切客席は撮ってないらしいけど(笑)。 来年も百式を行う予定。 来年は、舞台を激しく動き回る漫才をする!と修ちゃん。 小堀さんは3月にするのは止めたいらしい。 というのも、3月にやるということは、準備は1月。 しかし、1月はスタッフの誰もが正月気分丸出しで浮かれている。 小堀さん自身も正月は遊びたい、ということで(^^;。 花粉が飛ぶ3月は避けてもらった方がこちらもありがたい。 何度、舞台上でキワドくなっている小堀さんを見たことか。 まだ告知はしてないけど、色々イベントも考えてるんですよ、と小堀さん。 6月にルミネでFUJIWARAとトークイベントをやる方向で固まっているらしい。 (6月まではじゃぁ、東京にいなきゃなぁ)とちらりと考える(苦笑)。 東京生活はこちらの方が先輩なので色々イキるつもりらしい小堀さん。 藤本−修士−原西vs小堀という構図になるのは明らかだけど。 4年ぶりに東京でF拳が復活。 そんなこんなで、幕が閉じる。 客の思いは恐らく同じだっただろう。 「100分、楽しませてくれてありがとう!」 そして… 「今日のルミネは何分だったんですか!?」 それはスタッフのみぞ知る、かしら(^^;。 <感想(全体的)> 昔、2丁拳銃は千原Jr.からコンビ名の由来を尋ねられたことがある。 もちろん2人は、THE BLUE HEARTSの「44口径」の歌詞の一節からとったことを説明した。 その答えを聞いたJr.は、あることを教えてくれた。 それは、江戸時代は嘘を“鉄砲”といっていたこと。 「2丁拳銃」だと、 <面白おかしい嘘をついて人を笑わかす2人> という意味にも出来る、と説明してくれたらしい。 Jr.自身は、そっちの意味でつけたと思っていたそう。 2人がつく“面白おかしい嘘”を存分に味わえるのが、漫才だと思う。 だが、私は2丁拳銃に関してはコントを見る方が楽だ、と思う時があった。 漫才は、漫才中のふとした動作や口調に“素”が見えることがあるから。 “嘘”の間から見える“素”の方が印象に残り、何ともいえないやり切れなさや、時にはちょっとした腹立ちを覚えながら劇場を出ることもあった。 その点、コントは漫才に比べると、“役を演じる”要素が強い。 素が見えにくい分、漫才よりも構えないで見ることが出来るので気分的に楽だった。 「百式」も今年で3年目。 構成の大幅な変化は無かった。 だが、今回ほど 「客も楽しかったけど、何より2丁拳銃が一番百式を楽しんでた」 という感想を目にしたことはなかった。 そして、私自身は、今回の「百式」で初めて (2丁拳銃の漫才を見るのは楽しいなぁ) と思った。 2人がつく“面白おかしい嘘”に最初から最後まで乗せられた。 その状態はとても気楽で、とても楽しかった。 「M-1以降」という言葉はあまり好きじゃないけど、M-1以降、2丁拳銃の漫才はどこか変わったように思う。 余計な気負いや、カリカリしたトゲを感じることが少なくなった。 その代わり、“遊び心”や“ほっこり”といったものを感じることが多くなった。 漫才は、2人の漫才師がつく面白おかしい嘘。 最高の漫才師は、ある意味、“最高の嘘吐き”ともいえる。 最高の嘘をついている時のあの楽しそうな姿が、2人が今回の100分間で見せた唯一の“素”だった。 多分、どんな嘘つきでもそれは隠そうとしても隠せないものなのだろう。 ”最高の嘘”をついている“最高の素の姿”をこれからも出来る限り見続けていけたら良いなと思う。(04/4/8記) |