“ハリガネロック”な男達・ユウキロックと大上邦博

<ハリガネロックはこの2人で成り立っている>


ユウキロック(ボケ&ネタ作成&ロック担当)


本名 松口祐樹
生年月日 1972・4・16
出身地 大阪府池田市
血液型 B型
身長・体重 176cm 63kg
3サイズ 89・74・90
靴のサイズ 25・5cm
頭の大きさ 57cm
セールスポイント お笑い界のジョン・レノン
特技・資格等 文章で女をその気にさせる(この人の場合、“貯蓄”も特技に入ると私は思う)
チャームポイント 離れ過ぎた目 そしてロック
好きな女性のタイプ:168cmぐらいある背の高い目が大きい子
座右の銘:ふりむくなふりむくな、後には夢がない

大上邦博(ツッコミ&ハリガネ担当)

生年月日 1973・8・7
出身地 奈良県
血液型 AB型
身長・体重 186・5cm 65kg(97年頃のプロフィールと比べると約3・5cm伸びている)
3サイズ 88・73・86
靴のサイズ 26・5cm
頭の大きさ 57cm
セールスポイント いやし系
特技・資格等 イラスト(絵) 普通免許
好きな女性のタイプ 黒目の大きい人
座右の銘:人は強くなければ生きていけない。人は優しくなければ生きていく資格がない

***
共にNSC11期生。
1995年4月結成。
1997年1月「第18回ABCお笑い新人グランプリ」最優秀新人賞受賞、2月「第27回NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞受賞など、数々の受賞歴。

(参考資料:「2丁目軍団オールガイド」(角川mini文庫) 「baseよしもと2000大図鑑」)


<ハリガネロックの魅力>

「漫才はおっさんがやるものでカッコ悪い」と思っていた私にとって、ハリガネロックはかなり衝撃だった。

 とにかく、「カッコイイ」のだ。
 2人には悪いけどそれは「顔」とか「スタイル」といった「外見」が、じゃない(まぁ、外見も悪く無いとは思うけど、私にとってそれはあまり重要なことではない)。
 漫才をやっている姿。
 この姿がたまらなくカッコ良く、「終わらんといて〜」と毎回毎回思う。
 今回はどんなオチで落とされるのかが楽しみで、TVを見たり、劇場に足を運んだりする。
 
暗転中に流れる出囃子が止むと電気が点く。
 やがて舞台に2人が現れ、センターマイクの前に立ち、挨拶をお客さんにする。
 マイクの高さを調整し終わると、ネタを始める。
 そして、シメの「やめさせて貰うわ」が大上さんの口から出て、2人がお辞儀をして、ハケるまでの間、客は、私は、2人の口から展開される世界に惹き込まれるのである。

 声を上げて笑うのは当たり前。
 手を叩いて笑うことはしょっちゅう。
 時には手を叩きながら劇場の床を踏み鳴らして笑う。
 とにかく全身で笑ってしまう。

そこには余計な小細工は一切無い。
 あるのは、


 時に身内のスタッフからも“ツッコミ”と間違われるほど喋り倒す松口さんのボヤキにも似たボケ。

 そんな松口さんのテンポに全然遅れること無い、大上さんの、のほほんとしていながらも、全然場の流れやリズムを崩さないツッコミ。

 たったこれだけで、劇場のお客さんを満足させる。時には写真を撮ることも、メモを取ることも忘れさせてしまうほど、引き込ませるのだ。

何故だろう?
 特別なことをやってる訳でも、奇抜なことをネタにしている訳でもない。
 ネタは、日常生活での矛盾や、理不尽な事に対する松口さんの不満から大体始まる。
 それに対し、大上さんは同意して、時に松口さんと声を揃えてツッこんだり(ユニゾンツッコミ)、「いや、それは違うやろ」と反対したりして、話を掛け合いながら展開させるスタイルで、それは、漫才の王道と言えるスタイルだろう。

言えることは、この2人の漫才には、「嫌らしさ」が存在しない。
 あまりに世の中を斜めに見ているネタには、往々にして、「ヒネた考え」「屁理屈」「屈折」と言ったネガな部分が鼻についたりすることがある。
 けれどハリガネロックのネタで、そんな思いをしたことは、今のところは無い。
 それは、松口さんの不満が誰しも思うことであったり、言われてみればその通りであることだったりして、その松口さんのぼやきに対して、大上さんがどうツッこむのかが楽しみであるし、松口さんのぼやきの正論さに、聞いてるこっちが、「そうそう、その通り!」とすっきりしたりすることもある。

女性である私でも、20年以上生きていれば、ある程度の下ネタも聞き流せられる図太さも持ち合わせているが、あまりに下ネタに走る漫才は、漫才と言いたくない。
 それは単なるエロ話で、私はエロ話をお金出してわざわざ聞きたいと思う性癖の持ち主ではない。
 その点でいうと、ハリガネロックの漫才は(私が見たことある範囲内で)、下ネタに逃げない。話がそっちの方向にいっても、2人が上手く料理してくれるので、聞きながら、笑い飛ばせてしまう。
 料理の上手さは、ハリガネロックの最大の武器だと思う。

コンビである以上、「相方いじり」がネタになることもある。
 いじられるのは圧倒的に、大上さんが多い。
 その背丈や、目立ちたがりの相方に比べたらそれほど目立たず、飄々とした感じの大上さんは、いじりやすいのか、先輩や同期の芸人達、時には後輩からもいじられたり、ツッこまれたりしているが、松口さんからのいじりの方がもちろん桁外れに多い。
 しかし、こんなにいじられてる大上さんを、私は一度も「カッコ悪いなぁ、この人」と思ったことは無いのである。
 大上さんは、コンビ内や、芸能界内での礼節は勿論弁えているだろうが、萎縮するとこが無い人のように思う。何か、カッコ悪いことをいわれてる時でも堂々としている。
 そして、時に、やぶれかぶれとも思うような思い切りの良さをネタ中に発揮することもあり、見てるこちらがその潔さに救われることもある。
 松口さんは、そんな大上さんの良いところを、悪い方(礼儀知らずとか、ふてぶてしいetc)へ取られないように、いつも気を遣っている感じがする。
 しかし、なんだかんだといじっても、松口さんの大上さんへのいじりは、根底に大上さんへの色々な思い(優しさ、心配、不満、信頼etc)があることが分かってるから、安心して聞けるのである。

このコンビは、“対等”だ。礼節を弁えながらも、対等。
 松口さんのキャラが(あんまり、この人にはそぐわない言葉である気もするが)、際立っているので、この人が優位に立ってる感じがするけど、抑えつけたりという横暴さは無さそうだ。
 大上さんを怒るときもあるけど、それは大上さんを心配する余りにやってしまう行動。
 大上さんは、圧倒的に目立つ松口さんを相方に持ちながらも萎縮したり、卑屈になったりすることもせず、のほほんと、淡々と、マイペースで自然体。

全く正反対に思えるような2人が、互いに別の相方と組んでたコンビを解散させてまでも、結成した「ハリガネロック」。
 個別の魅力だけでもこんなに語れるのだから、2人が合わさった時の魅力は留まるところを知らない。
 面白くない訳が無いのだ。

「売れて欲しい」という気持ちは無いとはいえないが、それよりも、この面白さを知らない人がいるのは、残念だなあ、可哀相だなあ、と思う。
 そういう意味では、某ネタバトル番組では無いが、
 「この面白さを全国の皆様に届けたい」コンビである。


<ハリガネロックの舞台>

「立見席しか残って無くても、姿が見えないような場所しか残って無くても、とにかく劇場に入られるのであれば構わない。
 話が聞けるんなら、声が聞けるんならそれで良い」
 と私が思えるコンビが、ハリガネロックである。

「ハリガネロック」と言えば「漫才」。
 SbFでフジモンから「今や日本一の若手漫才コンビ」「日本一の若手ロック漫才師」「ガチンコ漫才まっしぐら」とか色々言われてたけど、当たらずとも遠からずだろう。

私は、劇場にハリガネロックを見に、5ヶ月で7回行った。
 その中にはMCのみだったり、松口さんのみだったりもするけど、「ハリガネロックが出るから」、チケットを獲った。ほぼ毎月1回は見ている計算になる。

ハリガネロックは、ネタはもちろん、MCも安心して見れる。
 均等に話を振り、盛り上げ、自分達を売り込むことも忘れず、お客さんにサービスすることも忘れない。

そして、お客さんを注意することも出来る。

これは重要だ。

 最近、若手の芸人さんたちはオシャレになり、カッコ良い人が増えて来た。
 これは、“芸人”というイメージが、明るく爽やかなものへとなり、劇場に足を運ぶお客さんが増えるということでは、歓迎されることだ。
 けれど一方で、“行き過ぎるファン”というのも出て来た。
 自分の目当ての芸人さんしか見えない人達だ。
 だから、他の人に迷惑を及ぼすような行為も平気でする。
 例えば、少しでも前の方の席で見るために、列に割り込んだり、追い越したり、ネタ中に、“キャ〜!!”と騒いだり、撮影禁止と注意されているに関わらず、ネタ中にフラッシュをばしばし焚いたり、他の人のネタになったら声高にお喋りしたり、目当ての芸人にだけ拍手して、他の人には知らん顔、という人達もいる。
 それが多いか少ないかは微妙だけど、いるというだけでも結構悲しい事実だ。

ハリガネロックがMCのイベントだと、これらの行為は、怒られる。
 「拍手せんのは他の芸人に失礼やろ」とか
 「“きゃぁ〜、可愛い”やあらへん」とか
 「そこ、笑うとこや無いで」という注意がなされる。

 自分のファンにだけでなく、他の人のファンにも注意するのがハリガネロック。
 他の人のファンに注意出来るのだから、自分達のファンに対してはもっと厳しい

 しかし、ハリガネロックのファンは、ハリガネロックがそういう“マナー”に対して厳しいということを知ってるから、ハリガネロックに怒られないように、嫌われないようにマナーをちゃんと弁えて、舞台を見ることが出来る人達ばかりのような気がする。

舞台にハリガネロックが現れた時、彼らのファンは、一際彼らに対して熱い声援を送るが、ハリガネロックのファンは、あまり彼らに対して、“ミーハー的声援”を送ることが無い。
 幸か不幸か、彼らは、「カ〜ワイイ〜」や「めっちゃハンサム〜」という形容詞が似合わないコンビである。
 服のセンスはかなりの線だと思う。自分達に似合う服を知ってるし、イメージにぴったり合った格好をしている。
 顔だって、ブサイクではない。
 「中途半端」という指摘がなされてたけど、大上さんは、吉本の男前ランキング30位であるし、「目が離れてる」とよくいじられる松口さんも、いじられてるほどにはブサイクではないのだ。
 「男前」とは言えないけど、「松口さんってブサイクだよね」と言われたら、私は「そんなこと無い!」と冷静な気持ちで否定出来る。
 
ハリガネロックが出て来た時にファンが思わず送る熱い声援。
 それは、もう、ハリガネロックの存在に対して送る声援だろう。
 服のセンスとか、容貌といった外見や、「漫才師」・「芸人」としての彼らの仕事ぶり、そういったもの全部をひっくるめて、「松口祐樹」と「大上邦博」が「ハリガネロック」として、自分の目の前の舞台に立ってることが嬉しくて、私は、彼らに、大きな声援と拍手を送る。
 オープニングの拍手は、これから彼らが見せてくれる舞台に対する期待も込めて。
 エンディングの拍手は、彼らが見せてくれた舞台への満足と、「ありがとう」という感謝を込めて。

ハリガネロックは、最後までお客さんを魅了する。
 baseライブだと、エンディングで幕が閉まる間、大きく手を客席に振ったり、松口さんは、誰かと(フジモンとか、$10の浜本さんなど)、「前へ前へ争い」を繰り広げてたりする。

漫才がメインのライブだと、2人は、ぴしーっと、90度お辞儀を客席に向ってする。
 私は、この「90度お辞儀」がとても好きだ。
 ハリガネロックが、「漫才」というものに対して、「誇り」や「畏敬の念」を持っているんだということがとても伝わるからだ。
 そしてこの「90度お辞儀」には、「劇場」や「お客さん」への感謝も勿論含まれている。
 めいっぱい、笑わせてくれた後のこの、筋の通った姿勢。

 このメリハリが大好きで、私は、月末近くになると、チケットぴあ、ローソンチケット、ゴールデン劇場HPをチェックし、毎月1日は、気合を入れて、ローソンチケットに電話をするのである。

 「ハリガネロック」を見るために、毎日頑張っている。
 「ハリガネロック」を見に行って、元気を貰って来る。
 だから、大阪からわざわざ、時に泊まりで福岡にやって来て、お笑いをやってくれるハリガネロックに、沢山の、心からの笑い声をいつも聞かせたいと思っている。
 わざとらしくない、心の底からの笑い声。ハリガネロックが提供するネタを全身で感じ取って、全身で、面白いと感じてることを伝えたいと思ってる。
 2人を不快な気持ちにさせないような、「さすが、俺らのファンや」と嬉しく思ってくれるようなファンでいたいと思っている。


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